前回のルシアン・ジェラに続き、今回もディベルテこだわりのオールド楽器をご紹介しましょう。今回はルイジ・エンベルガーの作品です。
当団員保有のルイジ・エンベルガー 1895年の作品です。衝撃の120年前製!ちなみに1895年は五千円札で有名な樋口一葉が雑誌「文学会」に「たけくらべ」の連載を開始した年です。歴史が感じられます。
テールピースカバーにまで施された装飾が気品の高さを醸し出しています。表面板はスプルース。
裏板は現代ではあまり見かけない、30枚を超える枚数のメープル板で構成されています。製作に手間暇を惜しまないことが120年を超えてなお活躍できる秘訣なのかもしれません。
ヘッドにも惜しみない装飾。木製ペグが琥珀のような色合いで美しい。
表側は貝の装飾。見た目も色気たっぷりですが、音も艶たっぷりの色っぽい音を奏でるのです。音量もしっかりと出ます。弦はアルス弦をチョイス。
120年の熟成を重ねた音色は筆舌に尽くしがたいものがあります。一種の教養を高める機会としてディベルテにお越しいただき、たけくらべならぬ「ききくらべ」に興じてみてはいかがでしょうか。